夏期講習が終了しました


六角舎アートスクールでは、8月24日に、7月下旬より4週にわたって行われた今年度の夏期講習が終了しました。

 

平常授業では土曜日以外は夕方からの3時間の実習時間ですが、夏期講習では午前中から、途中休憩を挟んで夕方まで6時間以上の実習(その後講評あり)なので、普段より歯応えのある課題にじっくりと取り組むことができます。また各日程5日間を連続で受講することで、その期間は集中して実技練習に向き合うことになり、そうした期間を経ることでやはり実力がアップしてきます。

 

国公立志望の受講生、夏休み明けにある私大の総合選抜入試の準備をする受講生、美術系高校志望の中学生のほか、来年度以降に受験する高校1、2年生など、受講生の目標や状況は様々ですが、夏期講習では、それぞれの受講生のこれまで培ってきた力をさらに充実したものにできるよう進めました。


夏期講習中に制作されたたくさんの作品の中から3点のみご紹介します。

 

1)1枚目の石膏デッサンは高校二年生の作品です。この作品も講師からの指導を受けながら時間をかけて描き上げました。作者は木炭紙大の画用紙に(頭像ではなく)胸像を描くのは初めてでしたが、画面が大きくなっても崩れることなく形が取れ、大きなトーンのあり方も最終的にはなんとかうまくまとめられたのではないかと思います。何より時間をかけても集中力を途切れさせず細部に至るまで粘り強く描いたことで、作者自身、手応えを感じる飛躍の1枚になったのではないでしょうか。

 

2)2枚目の卓上デッサンは高校一年生の作品です。これは京都市立芸術大学の過去問題を一部変更して取り組んでもらいました。作者は中学生の時からデッサンの練習をしていますが、高校生になってグッと形や描き込みの精度が上がりました。途中、ペットボトルの複雑な表面の表情を丁寧に追うがあまり、ペットボトル全体の大きな形態感が弱くなるタイミングがありましたが、再度大きく形を捉え直すことでうまくまとめられたと思います。また、形やトーンをしっかりコントロールできたことで画面全体の空間のあり方がきちんと見えてくるデッサンになっています。

 

3)最後の着彩写生は高校三年生の作品で、制作途中の写真です。夏期講習中に時間をかけて手応えのあるモチーフを描いてみたいとのことで、雉の剥製の精密描写に取り組んでもらいました。精密描写なので1点集中で、形態の構造の理解とデッサンからはじめ、主に着彩写生の練習経験の豊富なF先生の綿密な指導を受けつつ、各部分の質感の違いや羽毛の模様の一枚一枚までも丁寧に描き込んでいきました。この時点ではまだ胸の筋肉あたりの羽毛の描き込みに不足がありますが、この後その辺りを集中的に描写することで充実した作品として仕上がりました。この作品で掴んだことを今後の着彩に活かしてほしいと思います。


上で紹介した作品以外にも夏期講習中には、充実したデッサンや色彩、立体などの作品がたくさん制作されました


六角舎アートスクールでは、9月3日(火)より2学期授業が始まります。
 
2学期に入るとすぐに私学の総合選抜入試(体験授業型や面接型)が始まります。国公立や私学の総合選抜入試や推薦入試も間近に迫ってきますし、来年2月の国公立一般入試や美術系高校に照準を定める受験生も試験をリアルに感じつつ年内にできる限り力をつけておきたい時期になってきます。
 
また、来年度以降に入試を控える1、2年生も夏期講習を経てぐっと力がついてきます。
 
それぞれの受講生が目標に向かってさらに飛躍できるよう、2学期も頑張っていきましょう。(Y.O.)