「オディロン・ルドン 光の夢・影の輝き」展(岐阜県美術館)/みんなの森・ぎふメディアコスモス


岐阜県美術館で開催中の「オディロン・ルドン 光の夢・影の輝き」展を観に行ってきました。
岐阜県美術館はルドンのコレクションで知られています。ルドンは大好きな画家ですし、本展は300点ものルドンが観られる機会なので是非とも観たい展覧会でした。(この後、広島と東京に巡回。)

 

岐阜県美術館は岐阜市の中心から少し外れた西岐阜の住宅街の中にある小ぶりな美術館(日比野克彦館長)ですが、館内のそこここでワークショップが開かれていたり、ボランティアの若いスタッフが子どもたちと一緒に遊んでいたりなど、たくさんの子ども連れの来館者が楽しそうに過ごしていて、すごく賑やかな美術館です。

 

ルドン展は300点の展示なので観るのも大変ですが、とはいってもその大半はモノクロの版画シリーズなのでそれはざっと流し観して、パステルや油彩など豊穣な色彩を用いて絵を描き始めた後半の展示に時間と体力を集中します。以前ブログにも書いたこともある「若き日の仏陀」にも再会できましたし、他にも何点か神品と呼んでもいいような絵があって、そうした作品から感じられる「何か」を心に刻みつけようと、何度も会場を周りながら時間をかけて観ました。

 

その後は、以前から見てみたかった建築家・伊東豊雄の設計による「みんなの森・ぎふメディアコスモス」に行くため岐阜市の中心街へ。

 

「みんなの森・ぎふメディアコスモス」の2階の図書館は、広大でフラットな空間を、緩やかな曲面を描く天井から下げられた漏斗状の屋根が絶妙に分節化しています。一つ一つの漏斗状の屋根は均質ではなく、大きさや照明の方法が用途によって異なっていますが、その下には籐の大きなベンチや机などもあって、来館者が思い思いに過ごしたり大学生や高校生が勉強しています。

空間全体のあり方はもちろん、本棚の高さや館内の光や館内の案内のサインなど、ざっと見て回っただけでもいろいろなことが徹底的に考えられて作られていることがよくわかりますが、一方でその徹底性はそれを使う人が心地よく過ごすための思想に裏付けられているようで気持ちがいいです。また、たくさんの若い来館者で賑わっているのにすごく静かな雰囲気なのも印象的でした。(Y.O.)